かなしい話

 

 

こんな話を聞いたことがあります。

ある動物園の、猿山の飼育係さんの話です。

猿山で、サルの子どもが生まれたのですが、

その母ザルは、子育てをしなかったんだそうです。

しかたがないので、飼育係さんは、そのサルの子どもを家につれて帰り、

自分の子どものように可愛がって育てたのだそうです。

サルが大きくなったので、飼育係さんは猿山に子ザルを戻しました。

すると、人間に育てられて、サル社会のあいさつを知らないそのサルは、

どのサルにも、ひどくいじめられて、群れの中に入っていけなかったのです。

飼育係さんは、あわててそのサルを別の檻に入れて、他のサルと引き離しました。

そのサルは、生涯、他のサルと交わることなく、檻の中でたった一人で死んでいったそうです。

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人間の世界でも、こういうことはよくあります。

人間同士の「あいさつ」を教えられなかった人です。

人間同士の関わり方を誰からも教わっていないので、

どこに行っても嫌がられ、怒られ、攻撃されて、みんな、離れて行ってしまう。

本人は、なぜそんな目に遭うのかさっぱり分からないのです。

親から人間同士の「あいさつ」を教えられている人には、自然にできることなのに。

人との関わり方のスキルは、大人になってから努力して身につけることができるものでしょうか。

「三つ子の魂百まで」と言いますから、大人になってからの挽回は難しいかもしれません。

「あいさつ」のできない人間は、あのサルのように、ずっと一人で生きるしかないのでしょうか。

本当は寂しくて仕方がないのに...。

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