:剣と盾:
とても華奢な少女だった。
これから少女は戦場へ行くと云う。
片手に自らの愛刀を持ち、その眼に鋭い光を宿し。「私に、援護は無用です」
極めつけに、この台詞。
誰が承諾できようか。「それには条件がありますが」
「何でしょう」
「必ず生きて帰還すること、それだけです」
ただ静かに・・死ぬことは許さぬと云っているのだ。
死なれては困る、と。しかし少女は
「それは無理です」
と、否定する。
「人は自らの死の時期を決めることはできない。
・・そしてそれは、いつの時代も変わらない」「ならば、何故」
少女は真っ直ぐに見上げていた目を伏せ、声のトーンを下げて話し始める。
その姿はまるで、悲しみ、泣いているようにも見える。「・・・剣を振るうのに、盾があると邪魔なのだ」
盾など無くとも、剣が既に盾なのだから。
盾があれば逆に自らの剣で盾に傷をつける。
傷をつけてしまうのなら、最初から無い方が良い。少女は淡々と話した。
「・・わかりました」
渋々、少女が援護無しで戦場へ行くことを認める。
「但し、一つの条件があります」
またか、と、呆れている少女。
しかし、話している本人の顔は真剣で、迷いなど、微塵も感じさせないほどで。「・・何だ」
そろそろ出陣の時間が迫っている。
「絶対に、諦めないこと。 ただそれだけです」
真っ直ぐに見つめてくる眼。
微かに少女が笑顔を見せる。「あぁ・・勿論」
そして少女は戦場へ
見送るは自らの勝利を確信する太陽のみ・・・
----------後書き-----
考えた一文に色をつけただけです。
一番気に入ってるのは少女の台詞で
「剣を振るうのに、盾があると邪魔になる」というところ。
一番最初に思い浮かんだ文章もコレ。
この文から色々設定を考えたんですよねー。わあお。
ぁ、因みに登場人物は日記で云っていた三人組(?)とはまた別ですよ。